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2012第十次瀬戸内カヤック横断隊レポート 田中 道子

2012第10次瀬戸内カヤック横断隊レポート
田中道子
第10次横断隊、香川県豊島から山口県祝島までの7日間でしたが、私にとって8か月半の横断隊でした。そして、我を張って乗りきった7日間でした。

私が今回の横断隊フル参加を決意したのは今年の3月、第9次メンバーと室津港で会い祝島に行った時でした。でも、数年前に6日目から合流し、2日間で周防大島の沖家室から祝島の行程だったにもかかわらずついていけなくていっぱいいっぱいだったからその決意は誰にもなかなか言えず、静かに自分の心のなかで横断隊への気持ちが燃え始めたのでした。少しずついろいろなことが横断隊に参加する気持ちを揺るがないものにしていきました。4月末の内田さんの冒険塾でのシーカヤック、その時白石島にきた五福さんが「みっちゃん、横断隊参加するんやったらカヤック貸したげたんでー」という一言に内心めちゃくちゃドキドキしていた自分がいました。そして、漕ぎ切れるかの不安があったからタンデムかシングルかという迷いはさっちゃんの「やっぱりシングルでしょ」のなんともあっさりの言葉にすんなり「そうだよね・・」という気持ちになりました。また、テレビの特別番組で芸人井本がマッターホルンに挑戦する姿を自分に重ね、その時に言っていた『折れない心』に共感して私の横断隊に挑む気持ちが整いました。これを聞いて、そんな大袈裟だと思うかもしれないけど、私にとって横断隊は生半可な気持ちでは決して参加できない存在であったのです。そして、見えないプレッシャーをずっと感じ続けていました。でも、自分も横断隊の一員としてこの仲間と一緒に漕ぎたいと気持ち、参加するならフル参加しかないという自分への挑戦という目標ができたのでした。今までどこかでためらっていましたが、どうしても10年目内田隊長の今年だから挑戦したかったのでした。

山口県の室津に車をまわし、宇野港から豊島に渡り片山邸に集結し24日ついに出発。そんな矢先、大潮と赤潮が一緒にやってきて自分の体調はこれを乗り越えられたら怖いもんなしの状態の中でしたが、自分に「神様は超えられない壁は与えない」と言い聞かせるのと同時に「何とかなる。なるようにしかならん!」と、とにかく気持ち負けしないように挑んだ私の横断隊スタートでした。あの時は余裕がなかったけど、月の引力で生まれる潮の満ち引きと因果関係がある体の神秘的なものは自分だから得られた特権だったことに感謝かな。

私は、隊の1年生で、その日のリーダーの横にいてとにかくペースがわからないのでリーダーについていく。ほんとにこのスピードでいいのかと思いながら、常に後ろからのプレッシャーを感じ漕いでいました。とにかく漕ぐ、その中でリーダーの横にいて目標物の目指し方、言葉を近い位置で聞けたのは勉強になりました。シーカヤックを信じる気持ちをもちつつ、借りてきたパドルの漕ぎ方も何が正しいかわからない中、常にパドルと対峙しながらの毎日でした。でも、相性がよかったのか奇跡的に何の痛みも、筋肉痛なしの7日間は私にはとてもありがたかったです。

折れない心と楽しむ気持ちを忘れないようにしようと決めて臨んだ横断隊だったけど自分のことで精一杯なのに自分は笑えているのか、皆に気を遣わせていないか心配になりつつもそれ以上に夜明けの前に起きて皆に遅れないよう準備して漕ぎだす毎日は、自分自身一生懸命だったけど、日と回数を重ねるとともに最初は何度も撤収漏れして巻いたドライバックをまた開けたりだったのがスムーズにいく楽しさ、4日目の津波島を漕ぎ始めたとき自然に「気持ちいい~」と言いながら漕いでいたこと、5日目はたいした食材もないのに今晩のご飯は棒ラーメンにお餅と魚肉ソーセージをいれて食べる楽しみを持っていたこと。さすがに6日目の小雨の中の周防大島の地家室に到着したときは寒いし、海から見た右手海岸Aに到着したけどテトラの上。テントを張るのもままならない状況で放心状態になっていた私を助けてくれたのがあっこさんからの差し入れスイーツでした。それが元気の源になりこんな所で寝られることもめったにないしいい機会だと思えたりと日々の自分の変化が楽しかったです。

今回の山場の5日目、下蒲刈島から横断できるかどうかで祝島への道がつながるかどうか決まる日、自分があの横断の時にずっと口にして漕いでいたのは「絶対に祝島に行くんだ。絶対に!祝島でお風呂入るんだ!」でした。7日間でできる精一杯をすればいいのかもしれないけど、私はどうしても行きたかったのです。願えば叶う、揺るがない意志も今回の自分の旅のテーマに追加されていました。情島を見て漕いでいましたが、祝島を見ていたのです。

漕ぐ、食べる、寝るのシンプルな毎日でした。それが心地よくて、自分自身が自然に戻れた1週間でした。朝起きて、風を感じ、空を見上げて天気を知り、潮を体感し、海をよむ。本来なら人が持っている感覚、普段の生活の中でないもの、忘れているものを取り戻せた1週間でした。

現実に戻り、1週間ぶりにお金を見たこと、車で走った速さの違和感、すべてが面白かったです。漕いでできた肉刺が治っていき、風呂に入って水に浸かるとすぐにふやけていた手がふやけなくなってしまうことが寂しく感じていますが、心の中にできた何かおっきな存在がこれからの自分を支えてくれそうな気がします。

ほんとに今やっと始まる気がします。これから自分が何を見てどこにいくのかわからないけど、自分なりに自分らしくゆっくりでいいから道を探しながらでも前へ進んでいけばいんじゃないかと思いました。自分の感情を大事に、そして感謝の気持ちを忘れずに。

また、私の生まれ育った瀬戸内海を横断できたことは感慨深いものがありました。いつも泳いでいた渋川海水浴場、そこから眺めていた大槌島通過、開通時に記念写真とった瀬戸大橋下の通過、身近なところを漕いでいるというホーム感、横断したからこそ改めてわかった瀬戸内海の自然の素晴らしさ。その自然を人によって破壊させないよう、微力ではあるけど瀬戸内海を守る戦士でありたいと強くおもいました。

最後に、内田隊長、10年間お疲れ様でした。今回の横断隊の完漕はほんとうにたくさんの人に助けられ協力いただいたお蔭です。ありがとうございました。隊長をはじめ、みなさまのおっきさに感謝です。プライスレスな空間と時間、そして漕ぐだけでないカヤック道を教えていただきありがとうございました。
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2003年第一次瀬戸内カヤック横断隊からの記録を掲載しています。

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