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2012第十次瀬戸内カヤック横断隊レポート 谷口 美佐

第10次瀬戸内カヤック横断隊レポート 谷口美佐
11月23日、一日早く私の横断隊は始まりました。
横断隊への参加は今回で2度目ですが、1度目は2009年の第7次に直島から白石島までの50キロをダブル艇で漕ぎました。日頃のお気楽ツーリングとは違いハイペースでの長距離漕行に必死でしたが、とても興奮した事を覚えています。1日ではありましたがこの時の経験があったからこそ今回ソロでの参加を決意できたと思うので、相棒の熊谷さんにはとても感謝しています。

横断隊にソロで参加するということは私にとって未知の世界でした。初冬の厳しい海況の中、長時間に渡る漕行。寒空の中での野営。そして何より不安なことは、いつも隊長が言われている“ツアーじゃない!着いて来るんじゃダメ!いつでもリーダーに指名される覚悟を!と言うこと。潮を読み風を読み地形を観察し行き交う船舶にも注意して更には隊列のバランス、今日の野営地は。。。挙げれば挙げるほど私には何も身についていないことに気づかされるだけでした。本来は参加資格さえないと思う反面、それでも横断隊で漕ぎたい気持ちの方が圧倒的に勝ってしまうのです。こんな私でも受け入れてくれる横断隊は本当に有り難い存在です。
そしていよいよ今週末は横断隊という時でもまだ不安の塊でした。もうこれは漕ぐことでしか解決出来ないと思い“取りあえずスタートの豊島まで漕いで行こう”と決めたのです。

出発の朝、出艇場所の日の出海岸(玉野市築港)まで父に送ってもらいました。もうこの時には覚悟はできていたので緊張も心地よかった気がします。
浜には人の気配もなく、父が“まだ誰も来てねーのう”と言うので“一人で行くんじゃもん誰も来んわ”と返すと“好きにせー”とこんな感じはいつもの会話なんですが、どうもよその人からはよく喧嘩してるの?と聞かれることがあります(笑)

準備の時にパラついた雨も止み私の横断隊はスタートしました。
まずは日の出海岸の向かいにある牛ヶ首島の北側を周り、喜兵衛島・京の上葛島を島伝いに南下、宇野と小豆島を結ぶ航路手前の局島でバウを東に向け石島へ渡る。
この時、準備した地図に航路を記入していないことに気づき早くも反省。やはり日頃習慣にしていない事はすぐにボロがでてしまいます。
(石島・・・島の北側は岡山県、南側は香川県で井島と書く。昨年夏に3日間燃え続けた大火事で島の9割近くが焼けてしまい、一面真っ黒な山肌がとても痛々しかったです。)
石島からさらに南下、この時もし潮の抵抗が大きければ島の北側を周る方がいいかも!と先輩カヤッカーからアドバイスをいただいていましたがその心配もなく無事南端の鞍掛ノ鼻、そして豊島へ最後の横断。わずか数キロであっても横断は常に360度を警戒して緊張の連続です。豊島に漕ぎ渡った辺りからグイグイと潮が追してくれました。
今日はまだ長潮、それでもこんなに流れるんだなぁ。逆だと結構キツイなーなんて思いながらも、まだまだ色鮮やかな紅葉を楽しみました。(漕行記録10キロ、1時間半)

地図について
今回私は5万分の1の地形図を購入しそこへ干満の時刻と潮流の向き、速度を書き加えました。準備した地形図は香川県の高松から広島県の尾道までの全8枚。3日間の参加だったので“しまなみ海道”まであれば十分だろうと思っていました。しかし横断隊を学ぶ為には終点の祝島までの地図を準備しイメージしておく必要があったと後になって思いました。
海の航行にはやはり海図が最適なのでしょうか?地形図には等高線や道路、鉄道、集落など陸上のことも詳細に書かれてあるので、道路地図の延長のような感覚で見やすいことと、単純に目印が多い方が役立つだろうと思いました。
機会を作って海図の読み方も勉強してみたいと思うのですが講習会などあるのでしょうか?

豊島の甲生の浜へ到着したのはお昼少し前でした。隊員の方は大半が午後からの船便で到着の予定だったので浜でのんびり過ごすことにしました。ふと目の前のカフェの様なお洒落な建物が気になりご挨拶すると、建物以上に素敵なYさんご夫婦が居られ、第二の人生をこの家で暮らす為自分達でリフォームされている事や、船乗りだったお爺さんのお話など1時間近く楽しくお喋りさせていただきました。
翌朝は早朝にもかかわらず見送りに来ていただき“気をつけてね。また遊びにおいでよ”とお母さんに声をかけて貰った時には胸が熱くなりました。またひとつ素敵な出会いに恵まれ感謝です。

そしていよいよ横断隊が始まりました。隊列を決め私は4年生でのスタートとなりました。
31艇、大船団の船出です。その瞬間のことは興奮のあまり記憶が曖昧ですがビーテンさんのホラ貝の音色はしっかりと耳に残っています。シビれました!

今回私は初日の豊島(香川県)から3日目の弓削島(愛媛県)まで参加しました。3日ともなぜか漕ぎ始めはスピードに乗れず遅れがちでしたが、体が温もれば次第にリズムよく漕げていた様に思います。毎晩テントの中では欠かさずストレッチをしていたのですが朝も軽くほぐしておけばよかったと思いました。
初日は自分の生まれ育った倉敷市児島の沖を憧れの横断隊の一員として漕ぐ事が出来たことは、今思い返してみても胸に込み上げてくるものがあります。
子供の頃、夏休みには渋川海岸で海水浴をしながら沖の“おむすび山”(大槌島)を眺めていました。20年以上見続けてきた瀬戸大橋も手漕ぎのカヤックでくぐればまた新鮮でした。遠足で登った王子ケ岳や鷲羽山などの山々、色鮮やかな看板が掲げられたジーンズメーカーの建物は遠目にも分かり、街全体が見渡せた沖からの光景は格別でした。
瀬戸大橋のたもとには田之浦漁港(倉敷市下津井)という港があります。夏に白石島を訪ねた時、原田さんから“タノウラ”という地名は豊富な湧き水のあった場所では。というお話を聞いていたので下津井のことも気になり、何度かネットで検索してはみたものの情報は得られませんでした。機会があれば地元のご年配の方に尋ねてみたいと思います。

そして今回の旅では失敗や反省すべき点もいくつかありました。中でもスタート直後に起きたラダーのトラブルはかなり辛かったです。漕ぐことにも影響が出ていたので一部の隊員の方にはご心配をおかけしました。また貴重なお昼休憩の時間を割いて応急処置をしていただいた伊豆の遠藤さんと三澤さんには大変お世話になりました。上陸後にも手持ちのロープや潤滑油などを使って調整していただいたお陰で翌日からのパドリングにはほとんど影響もなく本当に助かりました。装備品が正常に使えるかどうか最低限の準備を怠ったことに大反省です。また装備についてはコンパスが必要だと感じました。雨風の中視界が悪い時や海峡横断の時、また島の多い瀬戸内では目標の島を勘違いしてしまうことも十分考えられると思ったからです。
それから昼休憩の時にはなるべくリーダーのそばで居るべきだったと思いました。海況の変化、今後のルート取り、隊員の体調などのトラブル等々、リーダーの元には様々な情報が集まってくるだろうと思うからです。

雨風波にさらされる中、隊員の方々に励ましていただきながら一日一日を必死で乗り切りました。寒空の中焚き火で暖をとり、野営をしながら過ごした3日間は厳しくも温かい、そしてとても幸せな日々でした。日常では得られない貴重な経験でした。隊を離れてからの数日は海で過ごしている様な、今までにない不思議な感覚があり心地良かったです。
予定通り愛媛県の弓削島で隊を離脱することが出来ましたが、隊の流れを妨げないようにスムーズに離れるつもりでタイミングを伺っていましたが、リーダーの井出さんのご配慮で隊を止めて送っていただいたこと心から感謝しています。 

弓削島に上陸してからも島民の方との出会いがありました。浜のすぐそばで畑作業をされていたご夫婦には翌日まで艇や装備品を預かって貰ったり、疲れた体で港までの急坂は辛いだろうと別のルートを教えていただきました。が、道中会話が弾み結局港まで送ってもらい申し訳なかったです。
また浜で片付けをしている時にも島の役場のAさんに声をかけていただきました。島の南岸を漕ぎ進む隊を見かけたそうで何事ですか?と、とても興味をお持ちでしたので今回の旅の工程をお話しさせていただき横断隊のブログとFACEBOOKページをお伝えしました。2014年には愛媛県と広島県が連携して“島博”が開催されるそうで、そこで子供達を中心にカヤック体験などができればとの事でした。またご自身もカヤックに興味をお持ちだったので村上水軍商会さんのHPを紹介させていただき、是非次は海の上で会いましょうとお別れしました。村上さん事後報告になってすみません。

最後に。。。
内田隊長、10年間本当にお疲れ様でした。そして瀬戸内カヤック横断隊を作っていただきありがとうございます。横断隊は人生を豊かにしてくれました。これ以上の歓びはありません。これからも、海の様に広く大きく温もりある横断隊に地元から参加させてください。

それでは皆様、よい年をお迎えくださいませ。
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Author:瀬戸内カヤック横断隊
2003年第一次瀬戸内カヤック横断隊からの記録を掲載しています。

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